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お客様の声:株式会社リオス

 
リオス様ロゴ

株式会社リオス
・所在地:福岡県福岡市博多区井相田2丁目8-15
・設立:1971年(昭和46年)6月
・事業内容:屋内電気工事、屋外電気工事、空調設備工事、電気通信設備工事

1971年設立の株式会社リオス様は福岡県福岡市に本社を構え、電気工事全般を中心に事業を行う総合電気工事会社です。GDX※アドバイザーとともに行っているDXの取り組みについて、その事例を紹介いたします。

※「GDX(グリーンデジタルトランスフォーメーション)」は「GX」と「DX」を合わせたフォーバル独自の造語です。

創業のきっかけを教えてください。

現在の代表は3代目で、先代が53年前に創業しました。創業時は住宅、ビル、店舗の施工を中心とした「電気の修理屋」として従業員も5名足らずでスタートしました。日々多様化する電気工事へのニーズやインフラに対応しながら、半世紀という時間をかけて総合電気工事会社へと成長を続けて参りました。先代が高校生の時は、今に比べるとまだ電気が普及し始めた時期で、今でいうITのような、これから伸びていく分野というポジションだったのだと思います。そんな時代に電気について勉強をして、仕事をし始めました。当時の電気業界はおそらく一人親方のような事業をしている人が多かったのではないかと思うのですが、同じように電気事業をしている方と共同経営で始めた会社です。共同経営していたのは最初の2~3年で、その後は先代が1人で代表として経営をしてきました。
その後、創業50周年に当たる2年前には、長年慣れ親しんだ「第一電建株式会社」という社名から、現在の「株式会社リオス(RIOS)」に社名変更をいたしました。リオスは「Rise On Shine」の頭文字をとった造語で“かがやきが増す”という意味が込められています。電気工事によって私たちが事業を営んでいるこの街全体に明かりを灯すと同時にそこに暮らす人々の生活を輝かせる、「この街に暮らしてよかった」と、街を支えられるような企業でありたいと願っております。

リオス様取締役専務_写真

取締役専務 髙山剛

リオス様のビションを教えてください。

私たちの経営ビジョンは、3つございます。
1つ目「住環境に特化したホールディングスになり、売り上げ規模30億円」
2つ目「自分の子供や孫たちまでも入社している」
3つ目「地域の人々の30%はリオスを知っている」の3つです。
売り上げのような、数値的な部分だけで地域業界ナンバーワンを目指すのではなく、お客さまや社員、地域の方々に対しても貢献している状態で『地域業界ナンバーワン』を目指しています。
弊社の経営理念は『人間尊重を基軸とする企業活動を通して、お客さまの「喜びと安心」に貢献し、全社員の幸福の追求と地域社会の繁栄に寄与する事を目的とします。』です。簡単に言えば、お客さま、社員、地域社会に対して、「三方良し」の状態を作ることが、私たちの目的でございます。
特に、2つ目の「自分の子供や孫たちまでも入社している」というのは、全社的な幸福の追求を考えた時に、あるべき姿として掲げています。社員の子供たちが、「仕事は楽しそうだ」と感じ、「お父さん、お母さんはかっこいいな」と認識するような働き方の実現が、社員の幸福の追求そのものだと考えてその状態を目指しています。

DXに取り組んだきっかけを教えてください。

私たちの業界では、特に福岡県を見てみると、売り上げが停滞している企業が多いように感じています。これは新しい社員を採用できない、新規顧客が増えない、ことから起こっているのではないかと思っています。その上で、全体の業界環境が良くならないと、私たち自身の企業も成長しにくいという場面が多々あります。例えば、若い世代の人たちは、建設業界の仕事を「厳しい」、「汚い」、「安い」といったネガティブな視点で見てしまっています。それは、若い人たちの問題と捉えることもできますが、我々自身がこの業界に自信と誇りを持ち、外に発信していくことが必要だと考えています。

こうした状況の中で、私たちの社員も本当に素晴らしく、技術者の価値に自信を持っているので、安く提供することが必ずしも良いとは思っていません。もちろん安さを求めることもニーズの一つとして大切だと思っておりますが、私たちの技術や対応によって築ける信頼関係や安心感は他では手に入らないような価値があるとも考えています。

たしかに、様々な理由から低価格で提供しなければならない企業も存在しますし、高齢化の中で新しいことにチャレンジしにくいこと、売り上げが停滞していることなどから、意識的に投資を控えている会社も多いと考えています。
そんな状況だからこそ、私たちはこの街のリーディングカンパニーを目指している会社として、新しい時代に対応すべく、新たな取り組みや成功事例を生み出していきたいと思っています。そうすることで、業界全体の価値向上に寄与し、自己成長にもつながると考えています。その思いこそが、私たちがDXに取り組んだきっかけです。

リオス様_写真01

DXに向けて取り組んだ具体的な施策について教えていただけますか?

具体的には、フューチャーサーチ(リード獲得から商談、受注、顧客管理までをワンストップで行える営業支援ツール)というデジタルツールを導入し、営業活動のデジタル化を実施しました。これは地域や規模感などのターゲットを選定すれば、自動でメール配信をしてくれる営業ツールですが、このツールの導入により特に力を入れたのが、メールでお届けするお役立ち情報の作成になります。
例えば、建物内で一般的な電圧に変換させる役割を果たす「キュービクル」と言われる設備がありますが、これから、福岡地方で成長してきた多くの企業が「キュービクル」の更新時期を迎えていきます。しかし、多くの企業はこの件について認識されていません。そこで私達は、対象となる地元企業を調査し、キュービクル更新についてお役立ちできる情報についてフューチャーサーチを使用してメール送信しました。

また、過去の事例を共有し、設備が故障する前に問題に対処することが重要であることを示したり、補助金を活用したりすることで、企業への具体的な貢献などの情報も発信しました。具体的には、「ある企業が補助金を利用してこれらの投資を行い、結果的にリスクを低減した」などの事例を提供することで、経営者の方々にとって将来のイメージがしやすくなるように工夫を凝らしています。ほかにも、「もし補助金を活用しないと、これらのトラブルが起こる可能性がある」といったリスクについての情報も共有します。
これらの内容の考案は、SEチームと営業グループが連携しながら取り組んでくれました。

DXに取り組む際に、難しかったのはどんなところですか?

難しかったのは、メールを受信する企業さんの課題に合う情報を作成することです。これまでは新規営業を行っていなかったので、どんな内容であれば有益な情報になるのかが全く分からない状況でした。
そこで、これまでの営業グループの提案内容の情報をSalesforce(営業活動において、商談の決定から成約まで、一連の活動の効率化を図り、成約をサポートしてくれるデジタルツール)から抽出し、これまでお客さまがどのような要望を抱えているのか、こういう規模のお客様はこういうことに困っているのではないかと仮説を立てていきました。

導入してみた結果はどうでしたか?

結果的に、385件のメールをお送りした中で、2件の企業様からお問い合わせをいただけました。1000件に1件来ればいいかなと想定していましたが、大幅に上回るお問い合わせ数になりました。
当初の課題はキュービクルに限定されていましたが、お話を進めていくうちに2社の企業様のうち1社がアパートやマンションの管理を任されていることがわかり、そのマンションの電気工事について今後相談したいというお話をいただけました。当初の課題からは離れてしまったものの、別の新たな接点を生むきっかけとなり、事業展開の可能性が広がりました。

また、今回得られた結果としてはもう一つ、まだ繋がりのない企業様に対して必要な情報の提供ができたことが挙げられます。
今回の取り組みによって、私たちへの問い合わせが増えただけでなく、課題に気づいたお客さまが同業他社に問い合わせをしたかもしれません。業界の中で対応可能な企業さんを増やしておくことは、お客さまにとって後手に回った対応を防ぎやすくなりますし、応急処置になった場合よりも、効率よく、費用を押さえて対処することが可能になります。また、私たちの目線でも、我々の急な対応が必要になる事を避け、通常の対応よりも人件費や経費の削減に繋がります。
これは私たちの目指しているビジョンを達成するために重要なことだと考えております。

リオス様_写真02

その後取り組みが進むにつれて、 DXへの意識は変化しましたか?

今回のアプローチでメールを370件送った結果、多くの企業が自社設備の課題を知り、検討するきっかけになったと思います。もしかすると、その企業さんが普段依頼している電気工事会社に相談する流れも生まれたかもしれません。そうであれば、全体の業界として見ても良い影響をもたらせたのではないか、と考えています。おそらく我々が100件の依頼を受けたとしても、全てを請け負うことは難しいですが、その余剰部分が業界全体の循環に寄与していくと考えているからです。
さらに、今回の取り組みによって弊社の営業グループのメンバーも、新しいシステムやアプリケーション、マーケティングなどについての理解が進み、今後の選択肢を増やすことに繋がりました。

DXの取り組みを進めていく中で、GDXアドバイザーに最も助けられたのはどのような部分でしょうか?

アドバイザーに付いていただく前は、目指したいことや実現したいことに対しての選択肢が多すぎて、正直どうしていけばいいか、よくわかりませんでした。
私たちがこういう風になりたい、こういうことを実現したい、ということに対して、色々な選択肢がある中で効果的な選択を教えていただき、最善の選択ができたというのが1番ありがたかったと感じています。また、ターゲットについての考え方や、戦略の組み立て方のアドバイスもすごく分かりやすかったので、自分たちだけで取り組むと1年、2年以上かかったものを、半年ぐらいで構築できたと感じています。

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今後の展望をお聞かせください。

今後の展望としては、先ほどお話ししたビジョンに一歩ずつ近づいていくことです。
特に、建設業界は働き方改革の重要性が高まっているので、私たち経営陣としての責任感を感じています。具体的には、システムによるデジタル化を通じて、社員が時間に追われることなく「お客さまの喜びと安心」に貢献でき、より幸福な状態で仕事をできる環境を作ることを目指しています。
現在、顧客管理のシステムには、複雑な状態があります。シンプルで効率的な環境に切り替えるための計画が現在進行中です。全てのソフトやシステムをクラウド化して、それぞれを連携させることや、必要がない部分の自動化を目指しています。しかし、それらのシステムや仕組みをフルに活用できるようにするためには、一人ひとりのタイムマネジメント能力も必要なので、そのための研修も実施していこうと考えております。

最後に、同じような業界業態の事業者へメッセージをいただけますか?

私たちはデジタルツールを活用することにより、価値観が大きく変化し、ここまでならできるかもと思える限界値を底上げすることができたと感じています。お手頃な価格のツール・無料のツールもたくさんあります。新しい自分たちの働き方や、集客の増強の部分など様々な課題に合ったツールがあるので、取り入れやすいものから利用して、自分たちに合うものを見つけていただきたいです。

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